感情の波で働けない…を卒業！障害特性と上手に付き合いながら安定して働く方法とは？
就労継続支援事業所トライアングル
🌿 はじめに
「注意された瞬間、思わず言い返してしまう」
「仕事中に不安が込み上げて涙が止まらなくなる」
「気分の波が激しく、朝起きて仕事に行けない日が続く」
障害のある方の中には、こうした “感情のコントロールの難しさ” が原因で、退職や転職を繰り返してしまう 方が少なくありません。
「自分は忍耐力が足りないのでは？」「性格に問題があるのでは？」と自分を責めてしまう方も多いですが、実際には 脳の働きや障害特性に深く関係していることがほとんどです。
感情のコントロールは、「努力」や「気合い」だけで解決できるものではありません。
しかし、正しい理解と環境の調整、そして適切なサポートがあれば、働き続けることは十分に可能です。
「感情に振り回されてしまう自分を変えたい！」
「働き続ける自信を持ちたい！」
そんなあなたが、少しでも安心して一歩を踏み出せるよう、この記事が力になれば幸いです。
目次
🔍 1. 感情のコントロールが難しいとは？
「思ってもいないのに強く反応してしまう」
「気持ちが乱れてしまい、自分でも驚く」
——このような感情の難しさは、多くの方が抱えています。
感情コントロールが難しい状態とは
- 些細な刺激で怒り・不安が急に高まる
- 気持ちの切り替えに時間がかかる
- ストレスを受けると感情が爆発しやすい
- 自分でも制御できず疲れやすい
感情の問題は「性格」ではなく、脳の仕組み・障害特性によるものです。
まずは理解することが大きな一歩になります。
🧠 「性格」ではない？感情コントロールが難しい脳の仕組み
「なぜ自分はみんなのように我慢できないんだろう？」と悩む前に、まずは「脳の仕組み」を知ることが大切です。
感情の暴走は、あなたの意志が弱いからではなく、脳のブレーキ機能のエラーかもしれません。
①脳のブレーキが効きにくい（障害特性）
私たちの脳には、感情（アクセル）を生み出す部分と、それを理性（ブレーキ）で抑える部分があります。
障害特性によって、このブレーキが効きにくくなっていることがあります。
障害別特性
- ADHD（注意欠如・多動性障害）
脳の前頭葉の働きにより「衝動性」の制御が苦手です。
思ったことが口に出る、カッとなる、といった反応は、脳のブレーキが間に合っていない状態と言えます。
- ASD（自閉スペクトラム症）
「予想外のこと」や「曖昧なこと」への不安が強く、脳がパニック（フリーズやメルトダウン）を起こしやすい傾向があります。
これは自分を守ろうとする防衛反応の一種です。
- 精神障害（うつ・双極性障害など）
セロトニンなどの脳内物質のバランスが崩れ、些細な刺激でも悲しみや怒りが増幅されやすくなっています。
「心の免疫力」が下がっている状態と言えるでしょう。
まずは自分の特性を知り、脳の仕組みに合わせた対処法を身につけることが、感情に振り回されずに生きるための第一歩になります。
💭 ②「思い込みのクセ」が感情を大きくゆらす理由
人は、出来事そのものではなく、
“どう受け取ったか（＝自分なりの解釈）” によって感情が動きます。
その「受け取り方」に偏りやクセがあると、ほんの小さな出来事でも、
実際以上に悪く感じたり、不安・怒りがふくらんでしまったり します。
たとえば・・
- 同僚に挨拶されなかっただけで…
「絶対に嫌われている」と決めつけてしまう（＝極端な捉え方） - 少しミスをしただけで…
「もう全部ダメだ」と全否定してしまう（＝白黒で考えるクセ）
こうした「思い込みのクセ」があると、
本当は小さな出来事でも大きなストレスに感じてしまいます。
気づきにくいクセだからこそ、
まずは「自分の受け取り方に偏りがあるかも？」と意識することが、
感情の安定につながる第一歩になります。
💥 職場でやりがち！感情トラブルの具体例とサイン
仕事の現場では、どのような瞬間に感情のコントロールが難しくなるのでしょうか。
よくある「爆発パターン」を知っておくことで、予防線を張ることができます。
- ⚠️よくあるトラブルケース
①「人格否定」と受け取ってしまう
上司：「このメール、相手にもう少し丁寧に伝わるように書き直しておいて」
受け取り方：「私のコミュニケーション能力が低いってこと？人としてダメだと言われた…！」
→ 結果： カッとなって言い返す／落ち込んで作業が手につかなくなる
②「感覚過敏」による限界
電話の音、話し声、蛍光灯の明るさ、においなどが積み重なり、脳の容量がいっぱいに。
→ 結果： 普段なら流せるような些細な一言が引き金となり、突然大声を出す、早退する。
③「予定変更」でパニック
急ぎの仕事を頼まれ、自分の手順が崩された瞬間、頭が真っ白に。
→ 結果： 「無理です！」と拒絶したり、その場で固まって動けなくなったりする。
- ⚡ 爆発前の「身体のサイン」に気づこう
感情が爆発する直前には、必ず身体からのサインが出ています。
・心臓がドキドキする
・顔が熱くなる
・手が震える
・冷や汗が出る
・喉が詰まるような感じがする
など、このサインにいち早く気づき、「あ、今ストレスがかかっているな」と自覚することが、トラブル回避の第一歩です。
🛡️ 自分を守る！感情をコントロールする実践テクニック
いざイライラや不安が襲ってきたとき、その場でできる具体的な対処法を紹介します。
自分に合ったものをいくつか「武器」として持っておきましょう。
即効性のあるアクション
- 6秒ルール（アンガーマネジメント）
怒りのピークは長くて6秒です。カッとしたら、頭の中で「1、2、3…」とゆっくり数字を数えましょう。
この6秒間をやり過ごせば、衝動的な行動は防げます。 - 物理的に離れる（タイムアウト）
「このままだと感情が爆発しそう…」と感じたら、「少し席を外しますね」と伝えてトイレや廊下へ移動するだけで大丈夫。
刺激となる相手や空間から距離を置くことで、頭の中の熱がスッと下がり、冷静さを取り戻しやすくなります。
そっとその場を離れるのがおすすめです。 - グラウンディング（五感に集中）
不安でパニックになりそうな時は、「今、見えるもの3つ」「聞こえる音2つ」「触れている感覚1つ」を探してみてください。
意識を「今の感覚」に向けることで、暴走する思考を止められます。 - 深呼吸（4・7・8呼吸法）
4秒かけて鼻から吸い、7秒止めて、8秒かけて口から吐く。
これを繰り返すと、副交感神経が優位になり、強制的にリラックス状態を作れます。
思考の切り替えテクニック
- 感情の数値化（スケーリング）
「今のイライラは100点満点で何点？」と自分に問いかけます。
「昨日は90点だったけど、今日は60点くらいか。ならまだ大丈夫」と客観視することで冷静になれます。 - 「べき思考」を捨てる
「上司ならこうあるべき」「普通はこうするべき」という考えは怒りを生みます。
「そういう人もいる」「自分は自分」と割り切る練習をしましょう。 - 「事実」と「感情」を分ける
ノートに書き出すのが有効です。
「事実：ミスを指摘された」「感情：悔しい、恥ずかしい」。
これらを分けることで、「ミスを直せばいいだけ」という解決策が見えてきます。
🌙 実はこれが土台！感情を安定させる「生活リズム整え術」
感情のコントロールは、職場の外での生活とも密接に関わっています。
脳のパフォーマンスを維持するためには、身体のコンディション管理が欠かせません。
- 睡眠・食事・運動の黄金サイクル
・睡眠不足は最大の敵
睡眠不足の状態では、脳の「扁桃体（感情の中枢）」が暴走しやすくなります。
決まった時間に寝起きし、7時間程度の睡眠を確保するだけで、イライラの沸点は下がります。
・血糖値の乱高下を防ぐ
空腹時に甘いものを大量に食べると、血糖値が急上昇・急降下し、精神的に不安定になります（イライラ、集中力低下）。
バランスの良い食事を心がけましょう。
・適度な運動でストレス発散
散歩やストレッチなどの軽い運動は、幸せホルモン（セロトニン）の分泌を促します。
休日に身体を動かす習慣を持つと、平日のストレス耐性が上がります。
服薬管理も忘れずに💡
医師から処方されている薬がある場合は、自己判断で中断せず、正しく服用しましょう。
薬の効果で脳内物質のバランスを整えることは、感情コントロールの土台となります。
🤝 ひとりで抱えない！職場にお願いできる「合理的配慮」
どれだけ自分で努力しても、環境が合わなければ限界が来ます。
障害者雇用や就労支援の現場では、会社側に「合理的配慮」を求める権利があります。
- 感情を安定させるための配慮例
・フィードバック方法の工夫
「口頭だと感情的になってしまうので、注意点はチャットやメールなどの文字で送ってください」と依頼する。
文字なら冷静に読み返すことができます。
・クールダウン場所の確保
「パニックになりそうな時は、5分だけ休憩室や倉庫に退避することを許可してください」と事前に合意を得ておく。
・業務量の調整
「複数の仕事を同時に抱えると混乱するので、一つずつ指示を出してください」とお願いする。
・定期面談の設置
不安や不満が爆発する前に、定期的に上司や支援員と話す時間を設けてもらい、ガス抜きをする。
要望を伝える際は、「（私は）〇〇が苦手なので、〇〇してもらえると助かります（成果が出せます）」というポジティブな提案として伝えると、企業側も受け入れやすくなります。
📝関連記事はこちらから
就労継続支援A型から一般就労へ ― 企業側の配慮がつなぐ安心の働き方
🏢 「練習の場」として最適！就労継続支援A型事業所の活用法
「一般企業で、いきなり配慮を求めるのはハードルが高い…」
「感情を整える方法がまだ安定していない」
そんな方にとって、就労継続支援A型事業所（A型事業所）は、働きながら「感情コントロールの練習」ができる最適なステップです。
A型事業所とは？特徴と安心できるポイント
「働きたいけど不安が多い…」という方にとって、A型事業所は非常に心強い就労環境です。
A型事業所の特徴
- 雇用契約を結び、最低賃金が保証
- 一般就労に向けたスキル習得やステップアップのサポートが受けられる
- 障害特性に応じた配慮が得られる
- スタッフのサポートが手厚い
- 感情面の負荷を軽減できる環境づくりが可能
「自分らしく働きたい」「安心して通える場所が欲しい」そんな方にとって最適な選択肢です。
📝A型事業所について詳しくはこちらをご覧ください。
💼A型事業所が「感情の安定」に役立つ理由
A型事業所は、障害や難病のある方が雇用契約を結んで働く場所ですが、一般企業とは異なる「安心の仕組み」があります。
たとえば
- 失敗しても「次」がある安心感
もし感情的になってしまったり、パニックになったりしても、即解雇にはなりません。
「なぜそうなったのか？」「次はどうすればいいか？」をスタッフと一緒に考え、失敗を学びに変えることができます。 - 支援員の常駐
障害特性を理解した支援員が常にそばにいます。
体調や気分の変化を察知して声をかけてくれたり、クールダウンの方法を一緒考えてくれます。 - 自分に合ったペース配分
フルタイムではなく1日4時間程度から始められる事業所が多く、心身の負担を調整しながら、徐々に体力をつけることができます。 - 客観的なアドバイスが得られる
「今の言い方は少し攻撃的だったかも」
「この伝え方ならもっと良くなるよ」
といった、一般企業では言ってもらえないような細かいフィードバックを受けられるため、対人スキルが向上します。
A型事業所を「最終ゴール」にするのではなく、「一般企業で長く働くためのメンタル・トレーニングの場」として活用する方が増えています。
❓ よくある質問（FAQ）
感情のコントロールや就労に関して、よく検索される疑問にお答えします。
-
薬を飲んでいれば治りますか？
-
服薬は症状を緩和する助けになりますが、それだけで全ての対人トラブルが解決するわけではありません。「薬による治療」と同時に、「自分の思考のクセを知る」「ストレス対処法を身につける」といったリハビリテーション的なアプローチが必要です。
-
A型事業所から一般就職はできますか？
-
はい、可能です。A型事業所で体調を整え、感情コントロールのスキルや業務スキルを身につけた後、ハローワークや就労移行支援などを通じて一般就労へステップアップする方はたくさんおられます。
当事業所トライアングルでは、在宅ワークによるデザイン業務や事務作業をはじめ、一般事務職や福祉サービスの職員として一般就労へとステップアップされた方が多数いらっしゃいます。
ここでの経験を通じて実務スキルや自信を身につけ、それぞれの目標に向かって着実に前進されています。
-
感情が不安定でも働けますか？
-
はい。A型事業所では特性を理解したうえで支援するため、安心して働けます。
-
感情がコントロールできないと仕事は続けられませんか？
-
いいえ。適切なサポート・環境調整があれば、安定して働けるようになる方は多くいます。
「休憩を取りやすい」「声かけの方法を工夫する」「刺激の少ない環境に変える」など、職場の調整だけで改善するケースもあります。
-
職場の人に障害や特性をどこまで伝えるべきでしょうか？
-
無理にすべてを伝える必要はありません。
「配慮してもらいたい部分」や「苦手が出やすい場面」だけを簡潔に伝えるだけでも、環境は大きく改善します。
支援員や相談員の方と相談しながら、伝える範囲を決めると安心です。
🌈 9. まとめ：感情のコントロールが難しいあなたへ
感情の波があっても、あなたが「働きたい」と思う気持ちはとても大切です。
A型事業所なら、特性に合わせた環境で安心して働き続けることができます。
焦らず、あなたのペースで進んでいきましょう。
就労継続支援事業所トライアングルでは、あなたが自分の感情とうまく付き合いながら、笑顔で働けるようになる未来を応援しています。
まずは見学や相談から、新しい一歩を踏み出してみませんか？
📝参考（外部）リンク
就労継続支援A型事業所(全国版）｜LITALICO仕事ナビ
就労継続支援A型事業所（京都市）｜はたらきまひょ
🌈“やってみたい！”を応援する場所、トライアングルへようこそ！
💡「トライアングル」ってどんなところ？
名前に込めた想い──
「トライ（Try）＝挑戦」
「アングル（Angle）＝見方を変える」
そして「トライアングル」が大切にしている三つの視点：
利用者さん × スタッフ × 地域社会
この“バランスの三角形”が、私たちの出発点です。
🌱“作業”ではなく、“成長”を育む場所
「トライアングル」は、就労継続支援A型・B型の事業所ですが、ただ作業をこなすだけの場所ではありません。
✨あなたの「できるかも」が「できた！」に変わる
✨あなたの「好き」や「得意」を一緒に見つける
✨あなたの「挑戦したい」を何度でも応援する
そんな“自分らしく働く”ことを目指す場所です。
💪不安があっても大丈夫。あなたのペースでOK！
「やってみたいけど不安…」
「うまくいかなかったらどうしよう…」
そんな気持ち、私たちはよくわかります。
だからこそ、失敗を恐れず挑戦できる“安心できる環境”を整えました。
🛠幅広いお仕事と支援体制
あなたの“やってみたい”に合わせて、さまざまな業務をご用意！
- 軽作業
- 創作・クラフト活動
- パソコン作業（SNS代行・ブログ作成・デザイン・動画編集など幅広い作業を提供）
- 在宅ワークも対応可能！
▶詳しくはこちらの「仕事の内容」もご覧ください。
就労に不安がある方も、ブランクがある方も、「挑戦したい」という気持ちがあれば、それだけで充分です。
さらに
📘資格取得支援
💼就職サポート
💬定期面談・個別相談
など、安心のサポート体制も充実！
💬まずは見学・体験からでもOK！
「ちょっと気になる」
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そんな方も、見学・体験を随時受付中！
あなたの“はじめの一歩”を、スタッフ一同あたたかくお迎えします。
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