【就労継続支援A型とは?】制度の特徴・対象者・メリットをわかりやすく解説


「障害や難病があっても働きたい」
「一般企業への就職は難しいけれど、できる仕事から始めたい」
―そんな思いを持つ方々を支えるのが、「就労継続支援A型」という福祉サービスです。
「就労継続支援A型って何?」という疑問を持ってこの記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。
障害や難病があり、一般企業での就職が難しい方でも、働く機会を得られる制度が「就労継続支援A型」です。
就労継続支援A型では最低賃金以上の給与が支払われ、一般就労を見据えたスキルアップや職場経験を積むことが可能です。
この記事では、制度の概要や対象者、B型との違い、メリット・デメリット、利用までの流れなどを、わかりやすく丁寧に解説します。
この記事で分かること💡
- 就労継続支援A型とは?
- B型事業所との違いとは?
- A型事業所の対象者とは?
- A型事業所の主な支援や仕事内容
- A型事業所のメリットとデメリット
- A型事業所が向いている人の特徴
- ご利用までの主な流れ
- A型事業所の選び方のポイント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
就労支援を探している方、支援を受けたいご本人やご家族、支援者の方もぜひ参考にしてください。
就労継続支援A型とは?

就労継続支援A型(以下、A型事業所)は、障害や難病があり、一般就労が困難な方に「雇用契約を結んだ上で働く場」を提供する福祉サービスです。
厚生労働省が定めた障害者総合支援法に基づき運営されており、最低賃金以上の給与が支払われます。
A型の最大の特徴は「雇用契約を結ぶこと」です。
福祉的な支援を受けながら、働く意欲を保ち、実際の業務経験を通じて就労能力を高められる点が、多くの方にとって大きなメリットです。
B型事業所との違いとは?

A型事業所とB型事業所は、どちらも障害のある方の「働きたい」という思いを支援する福祉サービスですが、両者の大きな違いは「雇用契約の有無」や「作業内容の難易度、そして給与や工賃の水準」にあります。
比較項目 | A型事業所 | B型事業所 |
---|
雇用契約 | あり(労働者としての契約) | なし(利用者としての通所) |
給与形態 | 最低賃金以上の賃金 | 工賃(時給換算で100~300円程度が多い) |
対象者 | 一定の労働能力がある方 | 働く体力や能力が乏しい方も対象 |
一般就労への移行 | 目標として支援される | 就労訓練・リハビリ的な支援が中心 |

A型事業所は雇用契約があるため、「働く訓練」+「就労の実績づくり」に最適です。
一方、B型事業所は、まず「生活の安定」「自己ペースでの就労訓練」を重視している点が特徴です。
A型は、ある程度の勤務能力や通勤の安定性が求められる一方で、B型はより柔軟な支援を受けられる環境です。
📝関連記事はこちらから
【就労継続支援B型とは】対象者・特徴・仕事内容をわかりやすく解説!初めてでも安心の福祉サービスガイド
就労継続支援A型とB型徹底比較!あなたに合った働き方を見つけよう!
就労継続支援B型とは何か?対象者・メリット・利用方法まで徹底解説!
A型事業所の対象者とは?

A型事業所を利用できるのは、以下のような条件を満たす方です。
1. 年齢要件
- 原則として18歳以上65歳未満の方
2. 障害や難病があること
- 身体障害、知的障害、精神障害(うつ病・統合失調症・発達障害など)
- 難病等対象疾病のある方
※障害者手帳を所持していない方でも、医師の診断書や意見書などによって利用が認められる場合があります。
3. 一般就労が困難だが、働く能力や意欲がある方
- 一般企業への就職がむずかしい状況でも、一定の作業能力や勤務継続が見込める方
- 通院や服薬管理をしながら、安定して出勤できる方が多く利用しています。
- 働く意欲があり、サポートを受けながら就労を目指している方
4. ハローワークなどで求職活動の経験がある方
- 就労意欲があり、就職支援を必要としていること
- 就労に関する相談や職業訓練の利用歴があると望ましいです。
このような就労支援機関との接点があることは、A型事業所での支援につながりやすく、スムーズな利用に結びつく傾向があります。
障害の等級や種類に関わらず、「働く意欲」と「一定の労働能力」が認められれば、対象になる可能性があります。
A型事業所の主な支援内容

A型事業所では、「一般就労への移行」や「安定した就労生活の継続」を目指して、以下のような多面的なサポートが行われています。
1. 雇用契約による安定した就労支援
A型事業所では、利用者と雇用契約を締結し、最低賃金以上の給与が支払われます。
京都府の例:1日4時間・週5日・4週間勤務した場合
→ 1,058円(2025年3月時点)×4時間×5日×4週 = 84,640円
これにより、経済的な安定が得られ、「働くこと」を日常生活の一部として定着させることが可能です。
2. 職業指導・作業支援
作業の内容や工程に合わせて、職業指導員や支援員が丁寧にサポートします。
仕事内容の例としては、軽作業(検品・梱包など)、事務補助、農作業、清掃、パソコンを使った作業などがあります。
3. 生活支援・相談支援
日常生活で困っていることや、体調の悩み、家族・人間関係の相談にも対応します。
定期的な面談や個別支援計画の見直しを通じて、利用者一人ひとりの生活を包括的にサポートします。
4. 一般就労への移行支援
A型事業所の大きな目的のひとつは、「一般就労へのステップアップ」です。
そのために、就職活動のサポートや、履歴書の書き方、面接練習、職場実習のあっせんなども実施されます。
5. コミュニケーションや社会性のトレーニング
チームでの作業や会話の練習、職場内のマナーの習得など、働く上での人間関係スキルの向上も支援の一環です。
社会参加や自信の回復につながります。
6. 定着支援(アフターケア)
A型事業所を経て一般就労へ移行した方に対しては、就労定着支援事業などを活用し、長期的な就労をサポートする体制が整えられている場合があります。
職場での悩みや課題に継続的に寄り添い、その方に合った働き方を支援することを通じて、「仕事」と「生活」の両面からのサポートが行われています。
📝関連記事はこちらから
就労継続支援B型と就労移行支援を徹底比較!自分に最適な支援を見つけよう!
【就労継続支援B型と就労定着支援の違い】目的・対象者や支援内容を徹底比較!

このように、A型事業所は、仕事を提供するだけでなく、「その人らしく働き、安心して暮らしていけること」を大切にした包括的な支援を行っているのです。
仕事内容|A型事業所ではどんな仕事をするの?

A型事業所で行う仕事は、事業所によって異なりますが、以下のような作業が一般的です。
よくある仕事内容の例
- 軽作業系:部品の組み立て、梱包、シール貼り
- 農業・園芸系:野菜の栽培、出荷準備
- 清掃業務:オフィスや施設の清掃
- 事務補助:データ入力、書類整理
- 飲食・調理補助:弁当づくり、仕込み、配膳
- PC作業(データ入力、ネットショップ運営など)
- WEB制作・IT関連:画像加工、動画編集、ブログ記事作成、SNS運用
など
仕事内容は事業所ごとに大きく異なりますが、近年ではパソコン作業やSNS運用、デザインなどのクリエイティブ分野に特化した事業所も増えてきています。
利用者の方一人ひとりのスキルや希望、特性に合わせて業務に取り組めるよう工夫されており、また、在宅ワークに対応する事業所も年々増加しており、より柔軟な働き方が可能になっています。
自分の体調やスキルに合った作業を選べるよう配慮されている事業所も多く、長期的に安定して働くことができます。

当事業所トライアングルでは、SNS代行を専門としており、ブログ作成、Instagram、TikTok、YouTubeの動画編集、デザインなどの業務を行っております。こちらの「仕事の内容」ページもご覧ください。
A型事業所のメリットとデメリット

A型事業所には、利用者にとって多くの魅力がありますが、一方で注意すべき点も存在します。
ここでは、実際に利用を検討するうえで知っておきたいメリットとデメリットをわかりやすくご紹介します。
区分 | 項目名 | 内容・補足説明 |
---|
【メリット】 | 最低賃金が保証される | 雇用契約を結ぶため、最低賃金法が適用され、安定した収入が得られる。 |
福祉的支援を受けながら働ける | 支援員が常駐しており、就労や生活面での不安に対して丁寧に支援してくれる。 |
社会参加・自信の回復につながる | チームでの作業や人との関わりを通して、自己肯定感や自信を回復しやすい。 |
一般企業への移行実績もある | 実務を通してスキルや就労習慣が身につき、ステップアップを目指せる。 |
【デメリット】 | 体調や能力によっては継続が難しい場合もある | 雇用契約のため、出勤の安定性が求められ、体調に波がある方には負担になることも。 |
事業所の雰囲気や支援内容に差がある | 事業所によってサポート体制や職場の雰囲気が異なり、合わないと感じる場合もある。 |
週5日、一定時間働けるかが前提となることが多い | 週20時間以上などの就労条件がある場合が多く、柔軟な働き方がしにくいケースも。 |

大切なのは、自分の体調やライフスタイル、働き方への希望に合った環境かどうかを見極めることです。
事業所によって雰囲気や支援内容が異なるため、事前に見学や相談を通じて、自分にとって「無理なく続けられる場所」かどうかを確認することが、納得のいく選択につながります。
📝関連記事はこちらから
【2025年版】就労継続支援A型のメリットとは?利用する前に知っておきたいポイント総まとめ
就労継続支援A型のデメリットとは?利用前に知っておきたい注意点と向いている人の特徴
A型事業所が向いている人の特徴

A型事業所が向いている人の特徴は、
以下のような条件や傾向がある方です。
簡単に言えば、「ある程度の就労能力があり、一般就労を目指したいと考えている方」に向いています。
✅規則正しく通勤できる体調・生活リズムがある方
A型事業所では雇用契約があるため、週20時間以上の安定した勤務が基本です。
通院や服薬などで生活がある程度安定しており、出勤が可能な方に適しています。
✅将来的に一般就労を目指している方
A型は「就労移行支援」と「訓練型雇用」の中間的な位置づけです。一般企業に就職したいという意欲がある方に向いています。
✅ある程度の作業遂行能力がある方
軽作業や事務作業などを指示通りにこなせるスキルが必要です。
支援はありますが、B型よりも自主的に業務をこなす力が求められます。
✅円滑なコミュニケーションができる方
職場ではチームで作業することもあるため、あいさつや簡単な報告・連絡・相談ができる方が適しています。
✅一定の収入を得たい方
A型では最低賃金が保証されるため、収入を安定的に得たい方にとっては魅力的です(生活費の一部にしたい、福祉的就労でも収入を重視したいなど)。
✅職業訓練や支援を受けながら働きたい方
一般企業では支援を受けにくいですが、A型事業所では福祉的な支援と雇用の両立が可能です。
就職準備を兼ねた実践の場として利用したい人に適しています。
ご利用までの主な流れ

「利用してみたい」と思ったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、利用開始までの基本的な流れを7つのステップで解説します。
- ①情報収集・相談
- 市区町村の障害福祉課や障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所で制度の説明を受け、自分に合った事業所を探します。

- ②事業所の見学・体験
- 気になるA型事業所を見学したり、体験利用を通じて、実際の職場環境や仕事内容を自分の目で確かめてみましょう。

- ③面接・適性確認
- 事業所で面接を受け、働く意欲や体調、適性などを確認します。
面接に合格すれば次のステップに進みます。

- ④障害福祉サービス受給者証の申請
- 面接通過後、障害者手帳や医師の診断書を用意し、市区町村の福祉課などに障害福祉サービス受給者証の申請を行います。
審査の後、受給者証が発行されます。

- ⑤雇用契約を結ぶ
- 受給者証の取得後、正式に事業所と雇用契約を結びます。契約内容や勤務条件について説明を受け、納得した上で契約を進めます。

- ⑥個別支援計画の作成
- 支援員と相談しながら、働き方や支援内容を具体的に計画した個別支援計画を作成します。

- ⑦利用開始
- 支援を受けながら実際に就労を開始します。定期的に面談や計画の見直しを行いながら、働きやすい環境づくりを進めます。

まずは事業所や地域の相談窓口での相談をしましょう。
ご利用には障害福祉サービス受給者証が必要となります。
この流れは一般的なもので、自治体や事業所によって多少異なる場合があります。
A型事業所の選び方のポイント

A型事業所を選ぶ際は、自分に合った環境で安心して働けることが大切です。
以下のポイントを参考に、納得のいく事業所を見つけましょう。
1. 支援内容やサポート体制を確認する
職業指導員や支援員の人数や対応内容、相談のしやすさを事前に確認しましょう。
就労だけでなく、生活面のサポートや悩み相談にも対応しているかが重要です。
2. 作業内容や作業環境の適合性
自分の体力やスキルに合った仕事内容かどうかを見極めます。
見学や体験利用で実際の作業をチェックし、無理なく続けられるかを確認しましょう。
3. 雰囲気や人間関係
職場の雰囲気やスタッフ・利用者同士の関係性は、働きやすさに大きく影響します。
明るく落ち着いた環境か、話しやすい人がいるかなども見ておくと安心です。
4. 通いやすさ・アクセス
通勤の負担が少ない場所を選ぶことで、継続しやすくなります。
公共交通機関や送迎サービスの有無も確認しましょう。
5. 一般就労への移行実績
将来的に一般就労を目指す場合、実績がある事業所は安心材料になります。
キャリアアップのサポートが充実しているかもチェックポイントです。

見学時は、仕事内容や支援員の方の対応、事業所の雰囲気、実際の利用者の方の様子も確認しましょう。
よくある質問(FAQ)

-
就労継続支援A型とB型、どちらが自分に合っているかわかりません。
-
働く時間や体調の安定度によって向き不向きがあります。
医師や相談支援専門員と一緒に判断しましょう。
-
給与はどれくらいですか?
-
地域の最低賃金以上が保証されています(例:(京都市)1日4時間・週5日・4週間勤務した場合
→ 1,058円(2025年3月時点)×4時間×5日×4週 = 84,640円
-
障害者手帳がないと利用できませんか?
-
手帳がなくても医師の診断書などにより利用できる場合があります。
自治体の判断にもよるため、まずは相談しましょう。
-
利用期間に制限はありますか?
-
原則として利用期間に明確な制限はありません。
ただし、A型は「一般就労への移行を目指す」ことが基本方針となっており、利用者本人の希望や事業所の方針によっては、数年で一般就労に向けたサポートを進める場合があります。
まとめ|A型事業所は「働きたい」を応援する制度

A型事業所は、「働きたい」「社会とつながりたい」という気持ちを大切にしながら、その実現を後押ししてくれる心強い制度です。
障害や病気の特性に配慮された働きやすい職場環境の中で、自分のペースで無理なく取り組めるのが大きな魅力。
就労を通じて、少しずつスキルや自信を身につけながら、将来の可能性を広げていくことができます。
まずは、自分に合った働き方を見つけるための第一歩として、A型事業所の見学や相談から始めてみませんか?
福祉のサポートを活用しながら、「自分らしい生き方」を一緒に築いていきましょう。
📝参考(外部)リンク
就労継続支援A型事業所(全国版)|LITALICO仕事ナビ
就労継続支援A型事業所(京都市)|はたらきまひょ
🌈“やってみたい!”を応援する場所、トライアングルへようこそ!

💡「トライアングル」ってどんなところ?
名前に込めた想い──
「トライ(Try)=挑戦」
「アングル(Angle)=見方を変える」

そして「トライアングル」が大切にしている三つの視点:
利用者さん × スタッフ × 地域社会
この“バランスの三角形”が、私たちの出発点です。
🌱“作業”ではなく、“成長”を育む場所
「トライアングル」は、就労継続支援A型・B型の事業所ですが、ただ作業をこなすだけの場所ではありません。

✨あなたの「できるかも」が「できた!」に変わる
✨あなたの「好き」や「得意」を一緒に見つける
✨あなたの「挑戦したい」を何度でも応援する
そんな“自分らしく働く”ことを目指す場所です。
💪不安があっても大丈夫。あなたのペースでOK!

「やってみたいけど不安…」
「うまくいかなかったらどうしよう…」
そんな気持ち、私たちはよくわかります。
だからこそ、失敗を恐れず挑戦できる“安心できる環境”を整えました。
🛠幅広いお仕事と支援体制
あなたの“やってみたい”に合わせて、さまざまな業務をご用意!
- 軽作業
- 創作・クラフト活動
- パソコン作業(SNS代行・ブログ作成・デザイン・動画編集など幅広い作業を提供)
- 在宅ワークも対応可能!

▶詳しくはこちらの「仕事の内容」もご覧ください。
就労に不安がある方も、ブランクがある方も、「挑戦したい」という気持ちがあれば、それだけで充分です。
さらに
📘資格取得支援
💼就職サポート
💬定期面談・個別相談
など、安心のサポート体制も充実!
💬まずは見学・体験からでもOK!
「ちょっと気になる」
「話だけでも聞いてみたい」
そんな方も、見学・体験を随時受付中!
あなたの“はじめの一歩”を、スタッフ一同あたたかくお迎えします。
✨あなたの未来、一緒に描いてみませんか?
「やってみたい」「挑戦してみたい」
——その前向きな気持ちこそが、すべてのはじまりです
あなたが思い描く「なりたい自分」を実現するために、トライアングルは全力で応援します。
どんな小さなことでも、お気軽にご相談ください。
🏢事業所のご案内
🔹トライアングル藤森(就労継続支援A型事業所)

〒612-0028
京都市伏見区深草飯食町840 セントラルプラザ1階
📞075-644-4123
🕘受付時間:9:00~18:00(土日休)
アクセス:
🚶京阪本線「藤森駅」 徒歩5分
🚶JR奈良線「JR藤森駅」 徒歩20分
🚌市バス「藤ノ森」停留所 徒歩2分
🔹トライアングル竹田(就労継続支援A型・B型事業所)

〒612-8446
京都市伏見区竹田中内畑町2番地 堀田ビル3階
📞070-3272-4349
🕘受付時間:9:00~18:00(土日休)
アクセス:
🚶近鉄・地下鉄「竹田駅」 徒歩8分
🚌市バス「竹田内畑町」停留所 徒歩1分
各事業所へのアクセスは「アクセス情報」をご覧ください。