【精神障害の方へ】就労継続支援A型とは?仕事内容・対象者・利用方法を徹底解説


「精神障害があり、一般企業で働く自信がない…」
「体調の波があって、安定して働けない…」
「社会復帰したいけれど、何から始めればいいかわからない…」
精神障害をお持ちの方の中には、働く意欲があっても一歩を踏み出すのが難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな時に活用できる制度のひとつが 就労継続支援A型 です。
この記事では、精神障害のある方が就労継続支援A型で安心して働くために知っておきたい
制度の特徴から仕事内容、メリット、事業所の選び方、利用の流れまで、わかりやすく解説していきます。
📌目次
- 就労継続支援A型ってどんなところ?
- 【精神障害】A型事業所の対象となる人
- 精神障害のある方の就労課題とは?
- A型事業所で働くメリット
- どんな仕事があるの?仕事内容の例
- 初めてでも安心!失敗しないA型事業所の選び方
- ご利用までの主な流れ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|精神障害があっても自分らしく働ける場所
就労継続支援A型ってどんなところ?

まず、就労継続支援A型がどのような場所なのか、基本的な部分から理解を深めましょう。
就労継続支援A型(以下A型事業所)とは、障害や難病のある方が、事業所と雇用契約を結んだ上で、支援を受けながら働くことができる福祉サービスです。
A型事業所の最大の特徴は「雇用契約を結ぶ」こと。
その結果──

- 最低賃金以上の給料が保障される
- 勤務日数や時間に応じた給与が毎月支払われる
- 労働者としての権利(休憩・残業手当・有給など)も認められる
といった、一般的な労働条件が適用されるのです。
一般企業と同じように給与が支払われるため、働くモチベーションを保ちやすいのが特徴です。
また、働くうえで必要なスキルや社会性を身につけるために、職業指導員や生活支援員が日常的にサポートしてくれるのも大きなポイントです。
「いずれは一般企業への就職を目指したい」「安定した収入を得ながらスキルを高めたい」という方にとって、A型事業所はその第一歩となる場といえるでしょう。
【精神障害】A型事業所の対象となるのはどんな人?

就労継続支援A型事業所を利用するには、いくつかの条件があります。
✅A型事業所の主な対象者
原則として、以下の条件を満たす障害や難病がある18歳以上65歳未満の方が対象となります。
主な条件
- 企業等に就労経験があるが、年齢や体力の面で一般企業での雇用が困難になった方
- 就労移行支援事業を利用したが、企業等の雇用に結びつかなかった方
- 特別支援学校を卒業して就職活動を行ったが、企業等の雇用に結びつかなかった方

簡単に言うと、「働く意欲と能力はあるものの、一般企業で働くにはまだ不安や困難がある方」「雇用契約を結んで働くことが可能な方」が主な対象です。
※A型事業所を利用するためには、自治体から 「障害福祉サービス受給者証 」を取得する必要があります。
✅精神障害がある方の具体的な対象例
対象の主な例
- うつ病、適応障害、パニック障害、双極性障害、統合失調症、不安障害、発達障害などの診断を受けている
- 体調の波があり、毎日安定して出勤することに不安がある
- 対人関係に苦手意識があり、サポートのある環境で働きたい
- 一度は一般企業で働いたが、症状の悪化で離職してしまった
必ずしも「障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)」が必須というわけではなく、手帳がなくても、医師の診断書や意見書など、障害の存在を証明できるものがあれば、自治体の判断によって利用が認められる場合があります。
精神障害がある方の就労には、どんな課題がある?

精神障害がある方にとって、「働くこと」は生活の安定や社会とのつながりを得る大切な手段です。
しかし現実には、就労にまつわる多くのハードルや困難を感じている方が少なくありません。
ここでは、精神障害のある方が直面しやすい主な課題についてご紹介します。
①体調の波により、安定して働き続けることが難しい
精神障害の症状は、日によって大きく波があることが多く、
「調子の良い日もあれば、全く動けない日もある」という方も少なくありません。
一般企業では毎日決まった時間に出勤し、安定したパフォーマンスを求められますが、このような体調の波は、継続的な勤務や評価に影響を及ぼすことがあります。
②ストレスに対する耐性が弱く、環境変化に影響を受けやすい
精神障害のある方の中には、環境の変化やプレッシャーに対して敏感に反応する方もいます。
例えば・・
- 突然の指示変更
- 他人からの強い言い方
- 職場の騒音や人間関係
などが強いストレスとなり、症状が再発・悪化してしまうこともあります。
③人間関係・コミュニケーションへの不安が大きい
職場では上司や同僚とのコミュニケーションが不可欠ですが、
「相手にどう思われているか不安」「自分の気持ちをうまく伝えられない」といった不安から、対人関係がうまくいかないケースもあります。
その結果、孤立感や自信の喪失につながり、離職してしまう方も少なくありません。
④自己理解と職場の理解のギャップ
自分の特性や体調について、どこまで開示すべきか分からないという声もよく聞かれます。
また、職場側も精神障害に対する知識が乏しい場合があり
例えば・・
- 誤解や偏見
- 「怠けている」といった誤認
- 合理的配慮がなされない
といったトラブルが生じることもあります。
⑤ブランクや就労経験の少なさによる自信の低下
長期間働けていなかった場合、「自分にできる仕事なんてあるのだろうか?」と自信を失ってしまっている方も少なくありません。
履歴書や面接で過去のことを聞かれるのが怖くて、応募に踏み切れないという声も多く、そのまま就労から遠ざかってしまうケースも見られます。

これらの課題は決して「特別なこと」ではなく、多くの精神障害のある方が直面しているごく自然な悩みです。
しかし、だからこそ大切なのは、「一人で抱え込まないこと」。
無理せず、自分の体調や状況に合った働き方を選び、必要な支援を受けながら少しずつステップを踏んでいくことが、就労への第一歩につながります。
A型事業所は、「働きたい」という気持ちに寄り添い、一人ひとりの歩みに合わせてサポートする場所として、精神障害のある方が安心して自分らしく働ける環境を提供しています。
精神障害のある方がA型事業所で働くメリット

ここでは、精神障害のある方がA型事業所で働くことで得られるさまざまなメリットについて、具体的にご紹介します。
メリット
①安定した給料と雇用
雇用契約を結ぶため、最低賃金が保証された給料が毎月支払われます。
経済的な安定は、生活の基盤を整えやすくなり、心の安定にも繋がります。
厚生労働省のデータによれば、令和5年度(2023年度実績)の就労継続支援A型事業所での平均賃金(月額)は 86,752円となっています。
📝参考(外部)リンク
京都府の例:1日4時間・週5日・4週間勤務した場合
→ 1,058円(2025年3月時点)×4時間×5日×4週 = 84,640円
②障害特性への配慮
精神障害の特性である「体調の波」「疲れやすさ」「対人関係の不安」などに対して、専門の支援員が理解し、配慮してくれます。
通院のための中抜けや急な欠勤にも柔軟に対応してくれる事業所が多いです。
③専門の支援員に相談できる安心感
仕事の悩みはもちろん、生活面や体調面の不安も支援員に相談できます。一人で抱え込まずに済む環境は、精神的な大きな支えとなります。
④生活リズムの改善
決まった時間に働きに出ることで、乱れがちだった生活リズムが整いやすくなります。
規則正しい生活は、心身の健康を保つ上で非常に重要です。
⑤一般就労へのステップアップ
A型事業所は、将来的に一般企業への就職を目指すためのステップとしても活用されています。
就労経験を通じて、ビジネスマナーやスキルを身につけ、自信をつけることができます。
働きながら生活リズムを整え、就労スキルを身につけ、自信がついたら次のステージに挑戦することも可能です。

精神障害がある方にとって、安心して働ける環境と安定した収入は、生活の基盤となる大きな支えとなるでしょう。
どんな仕事があるの?精神障害の方に向いている仕事内容

A型事業所では、事業所の特色によって様々な仕事が提供されています。
ここでは、精神障害のある方が比較的取り組みやすいとされる仕事内容の例を挙げます。
仕事内容の例
- PC作業・データ入力:集中して黙々と取り組めるため、対人関係のストレスが少ないです。正確性が求められますが、自分のペースで進めやすい仕事です。
- 事務補助:書類のファイリング、コピー、電話応対(可能な場合)など、企業のバックオフィス業務を担います。
- Webサイト制作・運営:デザイン、HP管理、記事作成、動画編集、SNS運用など、専門的なスキルを活かしたり、学んだりすることができます。
- 軽作業:商品の検品、梱包、シール貼りなど、手順が明確で覚えやすい作業です。手先を動かすことが好きな方に向いています。
- 清掃・施設管理:決められた場所をきれいにすることで達成感を得やすく、一人で集中して行える作業が多いです。
- カフェやパン屋での接客・調理補助:人と接することが好きな方や、ものづくりに興味がある方に適しています。

A型事業所での仕事内容は、事業所ごとに特色や設備が異なるため、提供される作業内容もさまざまです。
そのため、ご自身の興味や体調に合った作業ができるかどうか、事業所ごとに確認することが大切です。
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初めてでも安心!失敗しないA型事業所の選び方チェックリスト

自分に合った事業所を見つけることが、安定して働き続けるための最も重要なポイントです。
特に精神障害のある方は、以下の点をしっかりチェックしましょう。
✅選び方のチェックポイント

□ 環境と雰囲気:事業所内は落ち着ける環境か?騒音や人の多さは気にならないか?
□ 支援体制:精神保健福祉士など、精神障害に関する専門知識を持つ職員はいるか?支援員と気軽に話せる雰囲気か?
□ メンタル面のサポート体制:ストレスや不安に対する相談窓口やカウンセリングの機会はあるか?
□ 仕事内容:興味が持てる仕事か?自分の能力や体力に合っているか?
□ 柔軟な対応:体調不良による休憩や早退、欠勤に柔軟に対応してもらえるか?通院への配慮はあるか?
□ 通勤アクセス:無理なく通える距離・通勤手段か?ラッシュ時の混雑は大丈夫か?
□ 一般就労の実績:将来的に一般就労を目指したい場合、その支援体制や実績は十分か?
など、見学の際は、これらのポイントをしっかりと踏まえ、気になることは遠慮せずに積極的に質問することが重要です。
ご利用までの主な流れ

「利用してみたい」と思ったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、利用開始までの基本的な流れを7つのステップで解説します。
- ①情報収集・相談
お住まいの市区町村の障害福祉課や障害者就業・生活支援センター、相談支援事業所で制度の説明を受け、自分に合った事業所を探します。

- ②事業所の見学・体験
気になるA型事業所を見学したり、体験利用を通じて、実際の職場環境や仕事内容を自分の目で確かめてみましょう。

- ③面接・適性確認
事業所で面接を受け、働く意欲や体調、適性などを確認します。
面接に合格すれば次のステップに進みます。

- ④障害福祉サービス受給者証の申請
面接通過後、障害者手帳や医師の診断書を用意し、市区町村の福祉課などに障害福祉サービス受給者証の申請を行います。
審査の後、受給者証が発行されます。
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【完全ガイド】就労継続支援A型を利用するには?障害福祉サービス受給者証の取得方法と注意点を徹底解説!

- ⑤雇用契約を結ぶ
受給者証の取得後、正式に事業所と雇用契約を結びます。契約内容や勤務条件について説明を受け、納得した上で契約を進めます。

- ⑥個別支援計画の作成
支援員と相談しながら、働き方や支援内容を具体的に計画した個別支援計画を作成します。

- ⑦利用開始
支援を受けながら実際に就労を開始します。
定期的に面談や計画の見直しを行いながら、働きやすい環境づくりを進めます。

まずは事業所やお住まいの地域の相談窓口での相談をしましょう。
ご利用には障害福祉サービス受給者証が必要となります。
この流れは一般的なもので、自治体や事業所によって多少異なる場合があります。
よくある質問(FAQ)

-
A型事業所ではどのくらい働けるのですか?
-
週5日、1日4~6時間程度が一般的です。
利用者の方は事業所と雇用契約を結ぶため、雇用保険の適用を受けるためには、週20時間以上の勤務が目安となります。
ただし、個別に調整可能な事業所も多くあるため確認しましょう。
-
精神的に不安定な時期があっても続けられますか?
-
多くの事業所では、体調に合わせて勤務時間や業務内容を調整してくれる柔軟な対応があります。
-
障害年金と併用できますか?
-
はい、就労によって収入があっても、一定条件下では障害年金を受け取り続けられます。
-
人間関係が不安です。どのような配慮がありますか?
-
一人で集中できる作業スペースを用意したり、休憩時間をずらしたりするなど、個別の配慮をしてくれる事業所もあります。見学時に不安な点を伝え、どのような配慮が可能か確認しましょう。
-
一般企業への就職は本当に目指せますか?
-
はい、目指せます。A型事業所は「一般就労が困難な方」が対象ですが、同時に一般就労への移行を支援する役割も担っています。A型で働きながら自信とスキルをつけ、就労移行支援サービスを併用したり、事業所の支援を受けたりして、一般企業へステップアップも可能です。
まとめ|精神障害があっても、自分らしく働ける場所がある

精神障害があるからといって、「働くこと」をあきらめる必要はありません。
A型事業所は、無理なく自分のペースで働きながら、社会とつながることができる場所です。
「働きたい」「誰かの役に立ちたい」――そんな気持ちを大切に、一歩ずつ前に進める環境がここにはあります。
少しでも関心を持たれた方は、ぜひ一度、お住まいの地域にあるA型事業所を見学してみてください。
あなたの「自分らしい働き方」を実現できる場所が、きっと見つかります。
📝参考(外部)リンク
就労継続支援A型事業所(全国版)|LITALICO仕事ナビ
就労継続支援A型事業所(京都市)|はたらきまひょ
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