心臓機能障がいがあり疲れやすい方へ。「無理なく自分らしく働ける」A型事業所とは

心臓の病気や障がいを抱えながら働くことに対して、「すぐに疲れが出てしまう」「周りに迷惑をかけてしまうかも」と不安を感じることはありませんか?
体調を優先したいけれど、社会とのつながりや自立も大切にしたいという願いは、決してわがままなことではありません。
この記事では、心臓機能障がいへの理解を深めつつ、疲れやすさを抱える方が安心して一歩を踏み出せる「A型事業所」の仕組みや利用の流れを優しく解説します。
今の自分にちょうどいいペースを見つけ、未来への希望を一緒に育んでいきましょう。
1.🩷 心臓機能障がいとは

▶心臓機能障がいと働く上での課題
心臓機能障がいは、心臓のポンプ機能が低下することで、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態を指します。
外見からは分かりにくいため、周囲にその大変さが伝わりにくいという悩みを持つ方も少なくありません。
主な症状としては、次のようなものが挙げられます。
主な症状
- 動作時の息切れ
階段や坂道を上るなど、少し動いただけで息が切れる。 - 体のむくみ・体重増加
全身の血流が滞ることで、体に余分な水分が溜まります。 - 倦怠感・動悸
全身へ血液を送る力が足りず、常にエネルギー不足の状態になります。
普通の人なら何でもない動作でも、心臓に負担がかかることで激しい疲労感に襲われ、回復に時間がかかることが特徴です。
そのため、心臓機能障がいのある方は、働く上でも次のようなことに困難を感じている方が多くいらっしゃいます。
働く上で困ること
- 📦重い荷物を持つと、すぐに息が上がってしまう
- 🌡️寒暖差の激しい場所に行くと、胸が苦しくなることがある
- 🚶♂️長時間の立ち仕事や歩行が、体力的につらい
- 💪見た目が元気そうに見えるため、無理を強いられやすい
こうした特性があるため、一般的な職場では「怠けている」と誤解されたり、自分のペースを守れなかったりすることへの恐怖心を感じることもあるでしょう。
まずは自分の体の声を正しく聞き、どのような配慮が必要なのかを整理することが、安心して働くための第一歩となります。
そして、その配慮を受けながら無理なく働ける環境の一つとして、「A型事業所」という選択肢があります。
次の章では、心臓機能障がいのある方の「働きたい」という気持ちを支えるA型事業所について、わかりやすく解説していきます。
2.🌱 A型事業所とは?はじめに知っておきたいポイント

A型事業所は、障がいや難病のある方が、適切なサポートを受けながら雇用契約を結んで働くことができる場所です。
「働きたいけれど、一般企業はまだ少し不安」という方にとって、非常にバランスの取れた支援サービスと言えます。
ここでは、そんなA型事業所の特徴について解説します。
▶A型事業所とは
A型事業所には、次のような特徴があり、障がいや難病のある方が安心して働くことができます。

心臓機能障がいがある方にとって、無理のない勤務時間設定や、体調不良時の柔軟な対応は、働き続ける上で欠かせない要素です。
A型事業所は、そうした「個別の事情」を前提とした職場であるため、過度なプレッシャーを感じることなく業務に取り組めます。
3.💼 A型事業所での具体的な仕事内容

実際にどのような仕事をするのか、体に負担がかからないか心配になることもあると思います。
そこで、ここではA型事業所で実際にできる仕事内容について解説します。
▶A型事業所で出来る仕事
A型事業所では、座ってできる作業や、身体的な負荷が少ない業務が数多く用意されています。
代表的な仕事内容としては、以下のようなものがあります。
※なお、事業所ごとに用意されている仕事は異なります。
- 事務・PC作業
- ・データ入力
・書類作成
・Webライティング
・SNS運用代行
完全に座り作業のため心拍数が安定しやすく、体力の消耗を最小限に抑えられます。
また、空調の効いた室内での作業となるため、心臓に負担をかける「冬の寒さ」や「夏の暑さ」の影響を受けにくいのが大きなメリットです。

- 軽作業
- ・商品の検品
・ラベル貼り
・袋詰め
・手芸品の制作
自分の手元だけで完結する作業が多く、急な息切れや動悸を感じた際にも、作業の手を止めて休憩を挟みやすい環境です。

- IT・クリエイティブ
- ・プログラミング
・画像編集(Photoshop等)
・動画編集
・イラスト制作
身体的な動きが少ないことはもちろん、専門スキルを身につけることで、将来的に「在宅就労」や「フリーランス」など、より体調に合わせた柔軟な働き方を目指せるようになります。

- ECサイトの運営補助(ネットショップ)
- ・商品写真の撮影
・商品の採寸
・説明文の入力
・注文データの確認
基本は室内でのデスクワークや手元の作業が中心で、自分のペースで進めやすいのが特徴です。
また、「売れるための工夫」を考える楽しさがあり、やりがいを感じやすい職種です。


仕事の内容は事業所によって異なりますが、見学や体験を行うことで、実際の作業環境が自分に合っているかを確かめることができます。
「これならできそう」という感覚を大切にしながら、無理のない範囲で役割を担っていくことが可能です。
4.🤝 A型事業所で受けられる配慮

事業所側と相談することで、体調に合わせた「合理的配慮」を受けることができます。
ここでは、心臓機能障がいのある方がA型事業所で受けられる配慮について解説します。
▶A型事業所で受けられる配慮の例
A型事業所では次のような配慮を受けることができるので、心臓機能障がいのある方でも安心して働くことができます。
※なお、対応できる支援や設備は事業所ごとに異なるので、安心して働くためにも事前に事業所へ相談し、支援体制や作業環境を確認しておくことが大切です。
🕒 勤務時間・休憩の調整
🏢 作業環境の整備
🏠 通勤・在宅勤務

このように、通勤手段や働く場所についても柔軟な相談が可能です。
自身の体力や心臓への負担を考慮しながら、無理なく通い続けられる環境を事業所と一緒に整えていくことができます。
5.🔍 心臓機能障がいのある方に向けたA型事業所の選び方

心臓機能障がいを抱えながら働くためには、業務内容だけでなく「環境面」と「緊急時の体制」が自分に合っているかを慎重に見極める必要があります。
ここでは心臓機能障がいのある方が無理なく働き続けるために、事業所選びでチェックしたいポイントについてまとめました。
▶A型事業所選びの6つのポイント
①🏥 緊急時の対応とAEDの有無を確認する
万が一、体調が急変した際の備えは最も重要です。
- 緊急時のシミュレーション:見学時に「もし作業中に苦しくなった場合、どのような対応をしてもらえますか?」と質問し、スタッフ間の連携体制や、すぐに横になれる休憩スペースの有無をチェックしておくのが安心です。
- AEDの設置状況:事業所内、または同じ建物内のすぐに取りに行ける場所にAEDが設置されているかを確認しましょう。
②🌡️ 室内の温度管理と作業環境をチェックする
心臓への負担を減らすには、急激な温度変化を避けることが欠かせません。
- 空調設備:夏の暑さや冬の冷え込みが心臓に負担をかけるため、作業スペースの空調が適切に管理されているか確認します。
- バリアフリー: 建物内にエレベーターがあるか、作業デスクまでの動線に急な階段や段差がないかも、毎日の通勤負担を減らすための大切なポイントです。
③🚌 通勤のしやすさ(送迎の有無)を重視する
仕事内容と同じくらい心臓に負荷がかかるのが「通勤」です。
- 駅からの距離:長距離の歩行や坂道は息切れの原因になります。
- 送迎サービスの活用: A型事業所では送迎サービスを行っている場合があります。これを利用することで、満員電車や悪天候時の身体的ストレスを大幅に軽減できます。
④💻 自分に合った職種があるか
心臓機能障がいといっても、ペースメーカーの有無や運動制限の度合いは人それぞれです。
- 電磁波の影響:ペースメーカーを装着している場合、強い電磁波を出す機械がないか確認が必要です。
- 座り作業の割合:ずっと立ちっぱなしの軽作業ではなく、座って自分のペースで進められる業務(事務、データ入力、手作業など)がメインの事業所を選ぶと、体力を温存しながら働けます。
⑤🕒 勤務時間・休憩の柔軟性
心臓機能障がいのある方にとって、無理をしない働き方ができるかどうかは最も重要です。
- 小休憩の取りやすさ: 動悸や息切れを感じた際に「自分のタイミングで数分間座って休む」ことが許容されているか、現場の雰囲気を確認しましょう。
- 柔軟なシフト相談:急な体調不良による欠勤や早退に対して理解があるかを質問しておくのが安心です。
- 通院への配慮: 定期的な検査や診察のために、平日の通院時間を確保できるか、中抜けや振替出勤の相談ができるかも大切なチェックポイントです。
⑥👨⚕️ 医療・支援機関との連携体制
万が一のときに備えた安心できる体制も欠かせません。
- 主治医の指示の共有: 主治医からの「運動制限の範囲」や「服薬のタイミング」などの指示書を現場の指導員まで情報が共有される仕組みがあるかを確認します。
- 緊急時の連絡ルート: 万が一搬送が必要になった際の「緊急連絡フロー」が事前に整備されている事業所を選びましょう。
- 多職種とのチーム支援: 地域の保健師や医療ソーシャルワーカーと定期的に情報共有を行う姿勢があるかを確認することで、生活全体を支えてもらえる環境かどうかが判断できます。

A型事業所には「体験入所」ができるところが多いです。
まずは1日〜数日間、実際に通ってみて、「駅からの移動で動悸がしないか」「作業場の空気や温度は苦しくないか」を自分の体で確かめてみるのが一番の近道です。
6.📝 A型事業所を利用するまでの流れ - 安心の7ステップ

「利用してみたい」と思ったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。
ここでは、利用開始までの基本的な流れを7つのステップで解説します。
- ①情報収集・相談
まずは、お住まいの地域の相談窓口に連絡し、A型事業所の利用について相談することから始めます。
・ハローワーク:障害者専門窓口(専門援助部門)では、障害のある方の就職相談やA型事業所の求人紹介、就労に関する情報提供などを行っています。
働き方の希望や就労状況について相談できる窓口です。
・市区町村の障害福祉窓口: 障害福祉サービスに関する相談を受け付けています。
・障害者就業・生活支援センター(通称:なかぽつ): 障害のある方の就業面と生活面の一体的な支援を行う機関です。
・相談支援事業所: サービス等利用計画の作成支援など、障害福祉サービス全般の相談・調整を行います。
これらの窓口で、あなたの状況を伝え、A型事業所の概要や利用条件、手続きの流れについて情報収集を行いましょう。

- ②事業所の見学・体験
いくつかのA型事業所の情報を集めたら、実際に興味のある事業所を見学・体験利用することをおすすめします。
見学:事業所の雰囲気、行われている仕事内容、職員の対応などを直接確認できます。
気になることは積極的に質問しましょう。
体験利用: 実際に数日間、業務を体験してみることで、自分に合っているか、無理なく続けられそうかなどを判断できます。
この段階で、「どんな仕事をしてみたいか」「どんな支援があれば安心か」などを具体的にイメージしてみましょう。
気になるA型事業所を見学したり、体験利用を通じて、実際の職場環境や仕事内容を自分の目で確かめてみましょう。

- ③面接・適性確認
事業所で面接を受け、働く意欲や体調、適性などを確認します。
面接に合格すれば次のステップに進みます。

- ④障害福祉サービス受給者証の申請
面接通過後、障害者手帳や医師の診断書を用意し、市区町村の福祉課などに「障害福祉サービス受給者証」の申請を行います。
障害福祉サービス受給者証を申請するには、サービス等利用計画書が必要です。
相談支援専門員が、あなたの希望や状況に基づき、どのようなサービスをどのように利用するかをまとめた「サービス等利用計画案」を作成します。
この計画は、あなたがA型事業所で働く上で非常に重要な指針となります。
ご本人やご家族が作成して申請することも可能です。
市区町村の福祉課に提出し、審査の後、受給者証が発行されます。
※この受給者証は、障害福祉サービスを利用するために必須のものです。大切に保管しましょう。
📝関連記事はこちらから
【完全ガイド】就労継続支援A型を利用するには?障害福祉サービス受給者証の取得方法と注意点を徹底解説!

- ⑤雇用契約を結ぶ
受給者証の取得後、正式に事業所と雇用契約を結びます。契約内容や勤務条件について説明を受け、納得した上で契約を進めます。

- ⑥個別支援計画の作成
支援員と相談しながら、働き方や支援内容を具体的に計画した個別支援計画を作成します。

- ⑦利用開始
支援を受けながら実際に就労を開始します。
定期的に面談や計画の見直しを行いながら、働きやすい環境づくりを進めます。

まずは事業所やお住まいの地域の相談窓口での相談をしましょう。
ご利用には障害福祉サービス受給者証が必要となります。
この流れは一般的なもので、自治体や事業所によって多少異なる場合があります。
📝参考(外部)リンク
障害のある方に対する相談支援について|厚生労働省
わからないことがあれば、支援員や相談支援専門員に遠慮なく相談しながら、一歩ずつ進めていきましょう。
7.❓ よくある質問(FAQ)

心臓機能障がいのある方がA型事業所の利用を検討する際に、多くの方が抱く疑問や不安をまとめました。
同じような悩みを持つ方の参考になれば幸いです。
-
心臓機能障がいがあっても、本当にA型事業所で働けますか?
-
もちろん可能です。
A型事業所は「障害者総合支援法」に基づいた福祉サービスであり、一般企業よりも個々の障がい特性に対する配慮がなされています。
実際に、ペースメーカーを装着されている方や、心疾患による運動制限がある方も多く活躍されています。
-
通院のために定期的にお休みをいただくことはできますか?
-
はい、可能です。
心臓機能障がいの方は定期的な検査や診察が欠かせないため、通院配慮は最も一般的な相談事項の一つです。
あらかじめシフトを調整したり、通院日を固定したりすることで、治療と仕事を両立させている方はたくさんいらっしゃいます。
-
どのような配慮を事前にお願いしておくべきですか?
-
主に以下の3点について伝えておくと安心です。
- 動作の制限:「階段の昇り降りが難しい」「重いもの(5kg以上など)を持てない」など。
- 環境の制限:「冬場の冷え込みが厳しい場所は避けたい」「人混みや立ちっぱなしは避けたい」など。
- 緊急時の対応: 「発作が起きた時の常備薬の場所」「緊急連絡先(家族や主治医)」の共有。

不安なことは、どんなに小さなことでも事前に確認しておくことが安心につながります。
一つひとつの疑問を解消していくことで、働くことへのイメージがより具体的で前向きなものに変わっていくはずです。
8.🌈 まとめ
心臓機能障がいによる疲れやすさを抱えながらも、「働きたい」という前向きな気持ちを持つことはとても素晴らしいことです。
A型事業所は、そうした願いを無理なく形にできるよう、柔軟な勤務体制や専門的なサポートで寄り添ってくれる場所です。
まずは見学や相談を通じて、自分にとって心地よい環境があるかどうかを確かめることから始めてみませんか?
焦らず、一歩ずつ進んでいくことで、体調と仕事が調和する新しい日常がきっと見つかります。
皆さんの歩みが、安心と喜びに満ちたものになるよう、心から応援しています。
自分を大切にしながら、新しい未来への扉をそっと開いていきましょう。
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📝参考(外部)リンク
就労継続支援A型事業所(全国版)|LITALICO仕事ナビ
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