特別支援学校を卒業したら？A型事業所で始める「安心の社会デビュー」ガイド
就労継続支援事業所トライアングル
特別支援学校を卒業すると
「これからどんな仕事ができるの？」
「自分に合った職場はあるのかな？」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
そんなときに安心して働ける環境として注目されているのが、就労継続支援A型事業所（以下A型事業所）です。
A型事業所では、障害のある方が雇用契約を結んで働くことができ、支援員のサポートを受けながら、一般就労を目指したり、自分のペースで働く力を育んだりすることができます。
この記事では、特別支援学校を卒業したあとにA型事業所を利用するまでのステップや注意点、事業所選びのポイントをわかりやすく解説します。
あなたの新しい一歩を安心して踏み出せるよう、A型事業所の活用法を丁寧にお伝えします。
目次
- 就労継続支援A型事業所とは？特別支援学校卒業生が安心して働ける場所
- B型事業所や就労移行支援との違い
- 特別支援学校卒業生がA型事業所を利用する6つのメリット
- 特別支援学校での学びを活かそう！A型事業所での仕事と給料の目安
- 特別支援学校卒業生に合った働き方の工夫
- 自分に合ったA型事業所の選び方：大切なのは「継続できるか」
- 利用時の注意点とトラブル防止のポイント
- A型事業所を利用するまでの流れ - 安心の７ステップ
- よくある質問（FAQ）
- まとめ：特別支援学校卒業後の新しい挑戦を応援
1. 就労継続支援A型事業所とは？特別支援学校卒業生が安心して働ける場所
就労継続支援A型事業所は、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で支援を受けながら働くことができる福祉サービスです。
一般企業での就職が難しいと感じている方でも、自分のペースで安心して働き、必要なサポートを受けながらスキルを身につけ、将来的な一般就労を目指すことができます。
就労継続支援A型事業所（以下A型事業所）は、障害や難病のある方が、雇用契約を結んだ上で支援を受けながら働くことができる福祉サービスです。
特別支援学校を卒業したばかりの方にとって、社会参加や就労経験を積むためのステップとして最適です。
A型事業所の目的と役割
A型事業所の主な目的は、以下の通りです。
- 雇用契約を結ぶ: 利用者と事業所が雇用契約を結び、最低賃金以上の給与が支払われます。
- 働く機会の提供: 利用者の能力や適性に応じた仕事を提供します。
- スキルアップ支援: 職業訓練やビジネススキルの向上をサポートします。
- 一般就労への移行支援: 企業への就職活動をサポートし、定着支援も行います。
対象となる方
- 原則として18歳以上65歳未満の方
- 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病をお持ちの方
- 一般企業への就職が困難な方で、A型事業所での就労を通じて一般就労を目指したいという意欲のある方
- 特別支援学校を卒業して就労経験のない方で、就労継続支援A型事業所の利用が適切と判断された方。
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A型事業所は、特別支援学校卒業後のスムーズな社会参加と就労準備の場として、多くの卒業生に選ばれています。
2.B型事業所や就労移行支援との違い
特別支援学校卒業後の選択肢として、A型事業所の他にも「就労継続支援B型事業所」や「就労移行支援事業所」があります。
それぞれの違いを理解することは、自分に合ったサービスを選ぶ上で非常に大切です。
| サービス名 | 雇用契約の有無 | 賃金形態 | 主な目的 |
| 就労継続支援A型 | あり | 最低賃金以上 | 雇用契約に基づき働き、一般就労を目指す |
| 就労継続支援B型 | なし | 工賃（生産活動に対する対価） | 比較的軽作業を行い、働くことの喜びや社会参加 |
| 就労移行支援 | なし | なし | 職業訓練や就職活動支援に特化し、一般就労を目指す |
【徹底比較】就労継続支援A型と就労移行支援の違いとは？あなたに合った働き方を見つけよう
特別支援学校を卒業後、「すぐに雇用契約を結んで働きたい」
「働きながら着実にスキルを身につけたい」と考える方には、A型事業所が適していると言えるでしょう。
3. 特別支援学校卒業生がA型事業所を利用する6つのメリット
卒業後すぐに一般企業で働くのは不安という方も多いですが、A型事業所なら「働く練習」と「収入」を両立できます。
メリット
- 安定した給与で生活リズムを整えられる
一定の給与を得ながら、通勤や勤務の習慣を身につけることができます。 - 無理のない作業量で働ける
支援員が作業負荷を調整するので、体力や集中力に合わせて働けます。 - スキルや社会性が身につく
パソコン作業、軽作業、在宅ワークなどを通して、一般就労で必要なスキルを習得できます。 - 通勤や生活習慣の練習になる
就労リズムを実際に体験することで、将来の一般就労への不安を軽減できます。 - 支援員や仲間との交流で安心感を得られる
同じ経験を持つ仲間や支援員と日常的に関わることで、社会性を育てることができます。 - キャリア相談が可能
将来の就職や転職の相談、資格取得やスキルアップの支援を受けられる事業所もあります。
A型事業所は、卒業後の生活と就労準備を無理なく両立できる場であり、将来のキャリア形成にもつながるのが大きな魅力です。
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4.特別支援学校での学びを活かそう！A型事業所での仕事と給料の目安
A型事業所で提供される仕事内容は多岐にわたり、事業所ごとに特色や得意分野が異なります。
特別支援学校で学んだことや得意なことを活かせる仕事が見つかるかもしれません。
仕事内容の具体例
- PC作業: データ入力、書類作成など。
- SNS運用：InstagramやX（旧Twitter）、TikTokなどの投稿作成、写真撮影、ハッシュタグ選定、コメント返信など。
- 動画編集：YouTubeやSNS向けの動画カット編集、字幕入れ、簡単なBGM設定など。
- DTP・デザイン: チラシや名刺のデザイン、画像加工補助など。
- IT関連:ホームページ制作、プログラミング補助、データベース管理、ブログ記事作成など。
- 事務作業: 書類整理、電話対応、来客応対、郵便物の仕分けなど。
- 軽作業: 商品の検品、梱包、袋詰め、部品の組み立て、清掃作業など。
- 清掃・施設管理: オフィスビルや商業施設、公園などの清掃、備品管理など。
- 農業・園芸: 野菜の栽培、収穫、加工、販売など。
これらの仕事を通じて、PCスキル、コミュニケーション力、チームワーク、責任感など、一般就労にもつながる多様なスキルを身につけることができます。
給料の仕組み
A型事業所は雇用契約を結ぶため、原則として都道府県の最低賃金以上の給料が支給されます。
- 給料の仕組み:
- 勤務時間や日数に応じて給料が支払われます。
- 多くの事業所では、時給制を採用しています。
- 能力や勤続年数に応じて昇給する機会もあります。
- 平均給料:
厚生労働省のデータによれば、令和５年度（2023年度実績）の就労継続支援A型事業所での平均賃金（月額）は 86,752円となっています。
📝参考（外部）リンク
京都府の例：1日4時間・週5日・4週間勤務した場合
→ 1,058円（2025年3月時点）×4時間×5日×4週 = 84,640円
ただし、これは全国平均であり、地域や事業所の種類、個人の勤務日数・時間によって大きく変動します。
給料は、日々の生活費に充てるだけでなく、将来のための貯蓄や、趣味に使うこともできます。
働くことで経済的な自立を目指せるのが、A型事業所の大きなメリットの一つです。
5.特別支援学校卒業生に合った働き方の工夫
働きやすさを高めるためには、工夫やサポートの活用が重要です。
具体的な工夫
- 作業を小分けにする
1日2〜3時間ずつ作業を分けると、集中力が持続しやすくなります。 - デジタルツール活用
スケジュール管理や作業チェックリスト、在宅ワークでの効率化ツールを使う - 支援員との定期相談
作業の進め方や体調の相談を定期的に行う
「疲れやすい」「集中できない」といった悩みも相談可能 - 仲間とのコミュニケーション
同じ経験を持つ仲間と交流することで、安心感とモチベーションが向上 - ステップアップを意識
A型事業所で身につけたスキルを活かし、資格取得や一般就労への準備を行う
働き方を工夫することで、特別支援学校卒業生でも安心してスキルアップしながら働けます。
6. 自分に合ったA型事業所の選び方：大切なのは「継続できるか」
特別支援学校を卒業し、A型事業所を探す際には、自分に合った場所を選ぶことが非常に重要です。
長く安心して働き続けるために、以下のポイントを参考にしてください。
✅チェックポイント
- 仕事内容: 興味のある仕事内容か、自分のスキルや特性を活かせるか。
- 事業所の雰囲気: スタッフや他の利用者との人間関係は良好か、安心して働ける雰囲気か。
- 支援体制: 個別の課題に対応した支援計画があるか、困った時に相談しやすい環境か。
- 通勤のしやすさ: 自宅からの距離や交通手段、通勤時間。
- 給料・待遇: 最低賃金が守られているか、昇給の機会や福利厚生はどうか。
- 将来の目標との一致: 一般就労への移行支援や、スキルアップのためのプログラムは充実しているか。
- 見学・体験の機会: 実際に足を運び、体験利用を通じて雰囲気を確認できるか。
可能であれば、複数の事業所を見学・体験し、比較検討することをおすすめします。
実際に足を運ぶことで、ウェブサイトやパンフレットだけでは分からないリアルな情報や雰囲気を掴むことができます。
選ぶ際は「自身の体力・特性・生活リズムに合うか」を最優先に考えましょう。
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6. 利用時の注意点とトラブル防止のポイント
A型事業所を安心して利用するために、知っておきたい注意点もあります。
● 無理をしすぎない
「早く慣れなければ」と頑張りすぎると、体調を崩してしまうこともあります。
疲れたときは、支援員に相談しながらペースを調整しましょう。
● 出勤・欠勤の連絡をしっかり行う
雇用契約を結んでいるため、勤務管理のルールは一般の職場と同様に大切です。
欠勤・遅刻・早退の際は、必ず連絡を入れましょう。
● 給与や契約内容を確認する
契約書に「勤務時間」「給与」「休憩」「休日」などが明記されているかを確認しましょう。
不明点は契約前にしっかり質問することが大切です。
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● 事業所との相性を大切に
雰囲気や作業内容が自分に合っているかどうかは重要なポイントです。
焦らずに複数の事業所を見学・比較してみましょう。
契約内容の確認や体調管理、支援員との連携をしっかり行うことで、多くのトラブルは未然に防げます。
「自分のペースを大切にしながら、信頼関係を築く」ことが、A型事業所で安心して働くための一番のポイントです。
7.A型事業所を利用するまでの流れ - 安心の７ステップ
「利用してみたい」と思ったら、どのような手続きが必要なのでしょうか。
A型事業所の利用開始までには、いくつかのステップを踏む必要があります。慌てずに一つずつ進めていきましょう。
ここでは、利用開始までの基本的な流れを７つのステップで解説します。
- ①情報収集・相談
まずは、お住まいの地域の相談窓口に連絡し、A型事業所の利用について相談することから始めます。
・市区町村の障害福祉窓口: 障害福祉サービスに関する相談を受け付けています。
・障害者就業・生活支援センター（通称：なかぽつ）: 障害のある方の就業面と生活面の一体的な支援を行う機関です。
・相談支援事業所: サービス等利用計画の作成支援など、障害福祉サービス全般の相談・調整を行います。
これらの窓口で、あなたの状況を伝え、A型事業所の概要や利用条件、手続きの流れについて情報収集を行いましょう。
- ②事業所の見学・体験
いくつかのA型事業所の情報を集めたら、実際に興味のある事業所を見学・体験利用することをおすすめします。
見学：事業所の雰囲気、行われている仕事内容、職員の対応などを直接確認できます。
気になることは積極的に質問しましょう。
体験利用: 実際に数日間、業務を体験してみることで、自分に合っているか、無理なく続けられそうかなどを判断できます。
この段階で、「どんな仕事をしてみたいか」「どんな支援があれば安心か」などを具体的にイメージしてみましょう。
気になるA型事業所を見学したり、体験利用を通じて、実際の職場環境や仕事内容を自分の目で確かめてみましょう。
- ③面接・適性確認
事業所で面接を受け、働く意欲や体調、適性などを確認します。
面接に合格すれば次のステップに進みます。
- ④障害福祉サービス受給者証の申請
面接通過後、障害者手帳や医師の診断書を用意し、市区町村の福祉課などに「障害福祉サービス受給者証」の申請を行います。
障害福祉サービス受給者証を申請するには、サービス等利用計画書が必要です。
相談支援専門員が、あなたの希望や状況に基づき、どのようなサービスをどのように利用するかをまとめた「サービス等利用計画案」を作成します。
この計画は、あなたがA型事業所で働く上で非常に重要な指針となります。
ご本人やご家族が作成して申請することも可能です。
市区町村の福祉課に提出し、審査の後、受給者証が発行されます。
※この受給者証は、障害福祉サービスを利用するために必須のものです。大切に保管しましょう。
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- ⑤雇用契約を結ぶ
受給者証の取得後、正式に事業所と雇用契約を結びます。契約内容や勤務条件について説明を受け、納得した上で契約を進めます。
- ⑥個別支援計画の作成
支援員と相談しながら、働き方や支援内容を具体的に計画した個別支援計画を作成します。
- ⑦利用開始
支援を受けながら実際に就労を開始します。
定期的に面談や計画の見直しを行いながら、働きやすい環境づくりを進めます。
まずは事業所やお住まいの地域の相談窓口での相談をしましょう。
ご利用には障害福祉サービス受給者証が必要となります。
この流れは一般的なもので、自治体や事業所によって多少異なる場合があります。
９. よくある質問（FAQ）
-
特別支援学校を卒業したばかりでも利用できますか？
-
はい、利用条件を満たせばすぐに利用可能です。まずは地域の障害福祉窓口や相談支援事業所に相談し、手続きを進めましょう。
-
利用期間に制限はありますか？
-
法的な上限はありません。長期利用も、一般就労へのステップとして一定期間の利用も可能です。
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-
費用はどのくらいかかりますか？
-
利用料の自己負担は原則1割ですが、所得に応じて上限が設けられており、無料になる場合も多くあります。詳細はお住まいの自治体へご確認ください。
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-
一般企業への就職はできますか？
-
可能です。A型事業所では、履歴書作成や面接練習など、一般就労へのステップアップ支援も行っています。
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当事業所トライアングルでは、在宅ワークによるデザイン業務や事務作業をはじめ、一般事務職や福祉サービスの職員として一般就労へとステップアップされた方が多数いらっしゃいます。
ここでの経験を通じて実務スキルや自信を身につけ、それぞれの目標に向かって着実に前進されています。
まとめ｜A型事業所で自分らしい一歩を
特別支援学校を卒業した後、就労継続支援A型事業所を利用することで、安心して働きながらスキルや社会性を身につけることができます。
A型事業所は、雇用契約のもとで安定した収入を得られるだけでなく、自分の体調やペースに合わせて働ける環境が整っています。一般就労を目指す方にとっても、確かなステップとなるでしょう。
卒業後の進路に迷ったときは、地域の相談支援事業所や特別支援学校の先生に相談してみてください。
きっと、あなたに合った働き方や環境が見つかるはずです。
焦らず、自分のペースで大丈夫。
A型事業所で、自分らしい未来への一歩を踏み出してみましょう。
📝参考（外部）リンク
就労継続支援A型事業所(全国版）｜LITALICO仕事ナビ
就労継続支援A型事業所（京都市）｜はたらきまひょ
🌈“やってみたい！”を応援する場所、トライアングルへようこそ！
💡「トライアングル」ってどんなところ？
名前に込めた想い──
「トライ（Try）＝挑戦」
「アングル（Angle）＝見方を変える」
そして「トライアングル」が大切にしている三つの視点：
利用者さん × スタッフ × 地域社会
この“バランスの三角形”が、私たちの出発点です。
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「トライアングル」は、就労継続支援A型・B型の事業所ですが、ただ作業をこなすだけの場所ではありません。
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